この研修のゴール
Claude Code を軸にして、
AIエージェントを使いこなす技術と知識を獲得する
AIエージェントとは — 指示を出して、知識を与えて、ルールで縛る。
いわば部下のようなもの
Claude Code とは?
Anthropic が作った ターミナルで動く AI エージェント
ChatGPT 等との違い
指示 → 実行
ChatGPT は「会話して提案を返す」。Claude Code は「指示を受けて、ファイルを読み書きし、コマンドまで実行する」
起動方法
ターミナルから
claude コマンド1つで起動。あとは日本語で指示を出すだけ
「読んで・考えて・実行する」を自律的にやってくれるのが エージェント
研修全4回の全体像
段階的にスキルを積み上げる設計
01
第1回 — 基礎
AIエージェントの実力を体感
指示の設計を学ぶ
← 今回はここ
02
第2回 — 設計
仕様駆動開発
継続改善サイクル
03
第3回 — 自動化
Skill・Hook・SubAgent で
任せる仕組みを作る
研修を始める前に
リアクション
リアクションのお作法
👍 わかった・OK
❤️ わからない・ついていけていない
✋ 質問がある → 挙手 or チャット投稿
開発環境
Codespaces を使う理由
受講者ごとに OS や環境が異なるため、
全員同じクラウド開発環境で揃えます
Windows / Mac / WSL / PowerShell …
差分を気にせず研修に集中できます
ライブデモ — Issue から PR まで一気通貫
予め設計した AIエージェントワークフロー をコマンド1つで走らせる
これら全部を、たった 1コマンド で。
$ ./demo/run.sh
所要時間: 約40分 / コスト: 約7ドル / 結果は後で確認します
生成AIの理想と現実
「AI 使えば何とかなる」は幻想。これが2026年の現実です。
個人レベル
84%が AI ツール使用
そのうち 46% が精度を信用していない
「使ってはいるけど信用してない」が現実
企業レベル
95%が損益に直結していない
成功している Top 5% の共通点 — 現場にパワーユーザーがいた
※ 出典: MIT NANDA「The GenAI Divide: State of AI in Business 2025」(2025年8月)
コードを書く時代から、設計する時代へ
OpenAI の某チーム — 3人のエンジニアが 100万行のコードベースを管理し、1日 3.5個の PR を処理している。彼らがやっているのはコードを書くことじゃない
Anthropic の主張 — モデル性能はもう十分。問題は AI にどんな情報を渡すか。コンテキストの設計のほうが生産性を左右する
この研修で教えるのは、
AI が正しく動く環境を設計する技術
ハーネスエンジニアリング / エージェンティックエンジニアリング などと呼ばれる
なぜ Claude Code なのか?
結論: 業界標準を作っている側を押さえるのが一番効率がいい
理由 1
標準を作る側
MCP、Skills、CLAUDE.md など、Anthropic は次々に業界標準を提唱
理由 2
市場 1位
AI コーディングツール市場で 30% 強。現時点で1位
理由 3
急成長
企業の 4社に1社 が Anthropic を採用、1年で 4倍
Anthropic は急成長中(採用率)
企業の4社に1社 が Anthropic を採用(2026年)
※ 出典: Ramp AI Index(2026年3月)
初回 AI 購入は Anthropic が優勢
初回 AI 購入で Anthropic が OpenAI を逆転し、約70% を占める
※ 出典: Ramp Economics Lab(2026年)
InsightLog — AI 作業の記録ツール
https://insightlog.pages.dev
- AI タスクを記録して KPI を可視化
- 所要時間・AI なし推定・手戻り回数
- ブラウザで動く。インストール不要
開発サーバーを立ち上げる
Claude Code に指示を出す前に、変化をリアルタイムで確認できる状態 にしておく
- ターミナルで新しいタブを開く(Codespace 上のターミナル)
- 以下のコマンドを入力して Enter
$ npm run dev
- ターミナルに URL が表示されたら起動成功
- ブラウザでその URL を開くと InsightLog が表示される
Claude Code のプロンプトが出ているタブとは 別のタブ でコマンドを実行してください
デモの成果
最初に起動したデモが 完走しています
- Issue → PR が完成
- ユニットテスト・E2Eテストも書かれている
- レビューチームによるレビューコメント付き
裏で動いていたのは Sub-Agent + command + Skill + Agent Teams — これら全部、これからの研修で詳しくやる
Part 1 まとめ — 覚えてほしい3つ
01
AI は "部下"
指示を出して、知識を与えて、ルールで縛る存在。"ユーザー" として使うのではなく、"マネージャー" として向き合う
02
Top 5% の成功要因は
パワーユーザー
95% は ROI ゼロ。成功しているのは現場のパワーユーザーがいる組織。皆さんがその担い手になる
03
「使う」から
「設計する」へ
研修全体で学ぶのはこのパラダイムシフト
Part 2 の ゴール
AI が扱える情報の仕組みを理解し、
成果物の質を安定させる設定を自分で整備できるようになる
1
コンテキストの理解
AI の作業記憶の仕組みと上限を知り、
セッション内外での情報管理を身につける
2
CLAUDE.md の整備
プロジェクトのルールを書いておけば
毎セッション自動で AI に読み込まれる
コンテキスト — AI の作業記憶
AI が一度に扱えるのは コンテキストウィンドウ 分のトークンまで
セッションを閉じると すべて破棄 される
だから、恒常的な指示は毎セッションで自動的に渡す仕組みが必要になる
セッション中のコンテキスト管理
普段は ステータスラインの % で常時確認。以下の2つを使い分ける
要約
/compact
会話を要約して圧縮。
文脈を保ったまま容量を空ける
→ 「ここまでの要点をメモにまとめて。
細かいやり取りは忘れていいから続けて」
履歴クリア
/clear
会話履歴を完全クリア。
新しいタスクに切り替えるときに使う
→ 今のバイトのシフト終了。
次のバイトがまっさらな状態で来る
作業を続けるなら /compact(要約して圧縮)
タスクを切り替えるなら /clear(履歴を全消去)
💡 /context — 消費量の内訳を詳細表示する診断コマンド。statusline の % が異常に増えたときに使う
CLAUDE.md — 毎セッション 自動で渡されるルールブック
Claude Code はセッション開始時に CLAUDE.md を自動でコンテキストに読み込む
CLAUDE.md なし
ルールを知らない状態で開始
プロジェクト規約や禁止事項を知らず、既存コードからの推測で書くしかない
→ 毎回来るバイトに
何も説明せず作業させる状態
CLAUDE.md あり
ルールを踏まえた状態で開始
規約・ワークフロー・方針を踏まえた状態で作業を始められる
→ バイトに毎シフト渡す
マニュアルを用意してある状態
AI の成果物の質は、あなたが書く CLAUDE.md の質 で決まる
実際に 見てみましょう
InsightLog プロジェクトの CLAUDE.md を開いてください
- テックスタック・開発コマンド
- ディレクトリ構成
- アーキテクチャ判断(設計ルール)
CLAUDE.md に 何を書くか、何を書かないか
Anthropic 公式の用途: コーディング規約 / ワークフロー / アーキテクチャ
書かなくていい
ツールで補える規則
linter / formatter の仕事
コードから読めること
依存関係・既存のファイル構成
ツールでできることはツールに任せる — AI への指示は AI じゃないとできないことに集中させる
ハンズオンで 見えたこと
CLAUDE.md があれば AI は 地図を見て即答
なければ 手探りで探索してから推測
プロジェクトが大きくなるほど探索コストは膨らむ。
巨大モノレポ や チームごとに規約が違う構成 では差が決定的になる
実習 — 進め方
01 で考えること
- 何が面倒なのか
- どう改善するのか
- プロンプトに書き出す
※解釈が異なっても OK
02 でやること
- 具体化した指示を渡す
- npm run dev で確認
- 違えば指示を追加
成果物の質 を左右する2つの要素
❌ 悪い
曖昧
プロンプト
「タスクの記録をもっと簡単に入力できるようにして」
→ 何が面倒で、どう簡単にするか AI が迷う。結果は中途半端
⭕ 良い
対象と動作が明確
プロンプト
「タスク記録後、次の記録時に前回の AI ツールとカテゴリを初期値として再表示してほしい。所要時間とメモは毎回クリア」
→ 対象・保持する値・クリアする値が具体的
⭕⭕ さらに良い
実装方針まで指定
プロンプト
「上記に加えて、保持先は既存の Zustand ストア settingsStore.lastTaskInput。useTasks から読み出す」
→ プロジェクトの一貫性も保たれる
成果物の質を左右する 2大要素: 毎回のプロンプト と CLAUDE.md に書かれた前提
Part 2 まとめ — 覚えてほしい3つ
01
コンテキストは
有限
"部下の記憶" は毎回リセット。
だから CLAUDE.md に書く
02
CLAUDE.md で
ルールを自動適用
ルールを知った "部下" を
毎セッション自動でロードする
03
指示の具体化は
あなたの仕事
曖昧な要望をそのまま渡さない。
あなたが具体化する
成果物の質を左右する 2大要素:
毎回のプロンプト と CLAUDE.md に書かれた前提