Expert AX - Level1(Claude Code) /  全4回研修 第1回

AIエージェントを
"設計する"ための
第一歩

"部下"としてのAIエージェント — その実力

講師: 村田 篤郎

Part 1: "部下"としてのAIエージェント — その実力

01

オープニング

02

ライブデモ — Issue → PR 一気通貫

03

講義 — AIエージェント時代の現実

04

環境構築

05

実習① — InsightLog を派手にする

06

デモ成果確認 + まとめ

Part 1: "部下"としてのAIエージェント — その実力

01

オープニング

02

ライブデモ — Issue → PR 一気通貫

03

講義 — AIエージェント時代の現実

04

環境構築

05

実習① — InsightLog を派手にする

06

デモ成果確認 + まとめ

この研修のゴール

Claude Code を軸にして、
AIエージェントを使いこなす技術と知識を獲得する

AIエージェントとは — 指示を出して、知識を与えて、ルールで縛る。
いわば部下のようなもの

Claude Code とは?

Anthropic が作った ターミナルで動く AI エージェント

ChatGPT 等との違い

指示 → 実行

ChatGPT は「会話して提案を返す」。Claude Code は「指示を受けて、ファイルを読み書きし、コマンドまで実行する」

起動方法

ターミナルから

claude コマンド1つで起動。あとは日本語で指示を出すだけ

「読んで・考えて・実行する」を自律的にやってくれるのが エージェント

研修全4回の全体像

段階的にスキルを積み上げる設計

01

第1回 — 基礎

AIエージェントの実力を体感
指示の設計を学ぶ
← 今回はここ

02

第2回 — 設計

仕様駆動開発
継続改善サイクル

03

第3回 — 自動化

Skill・Hook・SubAgent で
任せる仕組みを作る

04

第4回 — 運用

多層防御と
ROI 可視化

自己紹介

村田 篤郎
村田 篤郎 Expert AX 講師

AI 導入支援・伴走 / AI 開発支援・エンジニア
趣味は登山・トレイルラン。健康管理や運動計画にも AI を活用しています。

研修を始める前に

リアクション

リアクションのお作法

👍 わかった・OK

❤️ わからない・ついていけていない

✋ 質問がある → 挙手 or チャット投稿

開発環境

Codespaces を使う理由

受講者ごとに OS や環境が異なるため、
全員同じクラウド開発環境で揃えます

Windows / Mac / WSL / PowerShell …
差分を気にせず研修に集中できます

Part 1: "部下"としてのAIエージェント — その実力

01

オープニング

02

ライブデモ — Issue → PR 一気通貫

03

講義 — AIエージェント時代の現実

04

環境構築

05

実習① — InsightLog を派手にする

06

デモ成果確認 + まとめ

ライブデモ — Issue から PR まで一気通貫

予め設計した AIエージェントワークフロー をコマンド1つで走らせる

Issue

概要・背景
受け入れ条件

実装計画

エージェント
チームで設計

実装

コード
+ テスト

PR

レビュー
チームが確認

これら全部を、たった 1コマンド で。

$ ./demo/run.sh

所要時間: 約40分 / コスト: 約7ドル / 結果は後で確認します

Part 1: "部下"としてのAIエージェント — その実力

01

オープニング

02

ライブデモ — Issue → PR 一気通貫

03

講義 — AIエージェント時代の現実

04

環境構築

05

実習① — InsightLog を派手にする

06

デモ成果確認 + まとめ

生成AIの理想と現実

「AI 使えば何とかなる」は幻想。これが2026年の現実です。

個人レベル
84%が AI ツール使用

そのうち 46% が精度を信用していない

「使ってはいるけど信用してない」が現実

企業レベル
95%が損益に直結していない

成功している Top 5% の共通点 — 現場にパワーユーザーがいた

※ 出典: MIT NANDA「The GenAI Divide: State of AI in Business 2025」(2025年8月)

コードを書く時代から、設計する時代へ

OpenAI の某チーム — 3人のエンジニアが 100万行のコードベースを管理し、1日 3.5個の PR を処理している。彼らがやっているのはコードを書くことじゃない

Anthropic の主張 — モデル性能はもう十分。問題は AI にどんな情報を渡すか。コンテキストの設計のほうが生産性を左右する

この研修で教えるのは、
AI が正しく動く環境を設計する技術

ハーネスエンジニアリング / エージェンティックエンジニアリング などと呼ばれる

なぜ Claude Code なのか?

結論: 業界標準を作っている側を押さえるのが一番効率がいい

理由 1

標準を作る側

MCP、Skills、CLAUDE.md など、Anthropic は次々に業界標準を提唱

理由 2

市場 1位

AI コーディングツール市場で 30% 強。現時点で1位

理由 3

急成長

企業の 4社に1社 が Anthropic を採用、1年で 4倍

設計思想は、どのツールにも通用する

Anthropic は急成長中(採用率)

Ramp AI Index: Model Adoption Rate

企業の4社に1社 が Anthropic を採用(2026年)

※ 出典: Ramp AI Index(2026年3月)

初回 AI 購入は Anthropic が優勢

Companies' first AI check is going to Claude

初回 AI 購入で Anthropic が OpenAI を逆転し、約70% を占める

※ 出典: Ramp Economics Lab(2026年)

Part 1: "部下"としてのAIエージェント — その実力

01

オープニング

02

ライブデモ — Issue → PR 一気通貫

03

講義 — AIエージェント時代の現実

04

環境構築

05

実習① — InsightLog を派手にする

06

デモ成果確認 + まとめ

環境構築

事前に配布された Codespace URL からアクセス

  1. 配布された Codespace URL をブラウザで開く
  2. Codespace が起動するのを待つ(初回は1〜2分)
  3. ターミナルで claude コマンドを起動 → API キー認証
  4. Claude Code のプロンプトが出れば準備完了

Part 1: "部下"としてのAIエージェント — その実力

01

オープニング

02

ライブデモ — Issue → PR 一気通貫

03

講義 — AIエージェント時代の現実

04

環境構築

05

実習① — InsightLog を派手にする

06

デモ成果確認 + まとめ

InsightLog — AI 作業の記録ツール

https://insightlog.pages.dev

  • AI タスクを記録して KPI を可視化
  • 所要時間・AI なし推定・手戻り回数
  • ブラウザで動く。インストール不要
InsightLog 画面

開発サーバーを立ち上げる

Claude Code に指示を出す前に、変化をリアルタイムで確認できる状態 にしておく

  1. ターミナルで新しいタブを開く(Codespace 上のターミナル)
  2. 以下のコマンドを入力して Enter
$ npm run dev
  1. ターミナルに URL が表示されたら起動成功
  2. ブラウザでその URL を開くと InsightLog が表示される

Claude Code のプロンプトが出ているタブとは 別のタブ でコマンドを実行してください

実習① — InsightLog を派手にする

お題: InsightLog の見た目を、可能な限り派手な色合いに変える

まず、以下のプロンプトをそのまま Claude Code に貼り付けてみてください:

InsightLog の配色を大胆に変えて、インパクトのある見た目にしてください。

慣れてきたら「ダークに」「サイバーパンク風に」など自分の言葉で追加してOKです

📄 手元で手順を開く: /training coloring

進め方

01 指示を出す

Claude Code に派手化を指示

02 確認

気に入ったらスクショを撮る

03 共有

スクショをチャットに投稿

04 記録

InsightLog にタスク記録

InsightLog に記録する

https://insightlog.pages.dev/ を開いて、各自のブラウザに記録

  • タスク名: Claude Code 初体験 — InsightLog 派手化
  • AIツール: Claude
  • 所要時間 / AI 未利用時の推定
  • 手戻り回数: 指示のやり直し回数
  • カテゴリ: 実装 / デザイン 等
  • 振り返りメモ: うまくいった点・気づき
InsightLog タスク記録フォーム

Part 1: "部下"としてのAIエージェント — その実力

01

オープニング

02

ライブデモ — Issue → PR 一気通貫

03

講義 — AIエージェント時代の現実

04

環境構築

05

実習① — InsightLog を派手にする

06

デモ成果確認 + まとめ

デモの成果

最初に起動したデモが 完走しています

  • Issue → PR が完成
  • ユニットテスト・E2Eテストも書かれている
  • レビューチームによるレビューコメント付き

裏で動いていたのは Sub-Agent + command + Skill + Agent Teams — これら全部、これからの研修で詳しくやる

Part 1 まとめ — 覚えてほしい3つ

01

AI は "部下"

指示を出して、知識を与えて、ルールで縛る存在。"ユーザー" として使うのではなく、"マネージャー" として向き合う

02

Top 5% の成功要因は
パワーユーザー

95% は ROI ゼロ。成功しているのは現場のパワーユーザーがいる組織。皆さんがその担い手になる

03

「使う」から
「設計する」へ

研修全体で学ぶのはこのパラダイムシフト

Part 1
質疑応答

Expert AX - Level1(Claude Code) /  全4回研修 第1回 Part 2

その部下をマネジメントできるか?

記憶と指示の設計

講師: 村田 篤郎

Part 2: その部下をマネジメントできるか? — 記憶と指示の設計

01

講義 — 記憶と指示

02

ハンズオン — CLAUDE.md の有無で比較

03

実習② — 曖昧な要望を具体化する

Part 2 の ゴール

AI が扱える情報の仕組みを理解し、
成果物の質を安定させる設定を自分で整備できるようになる

1

コンテキストの理解

AI の作業記憶の仕組みと上限を知り、
セッション内外での情報管理を身につける

2

CLAUDE.md の整備

プロジェクトのルールを書いておけば
毎セッション自動で AI に読み込まれる

AI のリソース消費を 常時確認 しよう

コンテキストとコストをステータスバーに常時表示する

/statusline コストも表示してください。
コンテキスト

AI の作業記憶の使用率

会話・コード・ファイルが
どれだけ記憶を使っているか

コスト

API の累積利用料金

やり取りが増えるほど課金が発生。
無駄な試行錯誤は直接コストになる

この2つの数字の意味を、これから詳しく学んでいきます

Part 2: その部下をマネジメントできるか? — 記憶と指示の設計

01

講義 — 記憶と指示

02

ハンズオン — CLAUDE.md の有無で比較

03

実習② — 曖昧な要望を具体化する

コンテキスト — AI の作業記憶

AI が一度に扱えるのは コンテキストウィンドウ 分のトークンまで
セッションを閉じると すべて破棄 される

だから、恒常的な指示は毎セッションで自動的に渡す仕組みが必要になる

コンテキストウィンドウの構造 — システムプロンプト・ファイル・会話履歴が上に積み重なる公式図

セッション中のコンテキスト管理

普段は ステータスラインの % で常時確認。以下の2つを使い分ける

要約

/compact

会話を要約して圧縮。
文脈を保ったまま容量を空ける

→ 「ここまでの要点をメモにまとめて。
細かいやり取りは忘れていいから続けて」

履歴クリア

/clear

会話履歴を完全クリア。
新しいタスクに切り替えるときに使う

→ 今のバイトのシフト終了。
次のバイトがまっさらな状態で来る

作業を続けるなら /compact(要約して圧縮)
タスクを切り替えるなら /clear(履歴を全消去)

💡 /context — 消費量の内訳を詳細表示する診断コマンド。statusline の % が異常に増えたときに使う

CLAUDE.md — 毎セッション 自動で渡されるルールブック

Claude Code はセッション開始時に CLAUDE.md自動でコンテキストに読み込む

CLAUDE.md なし

ルールを知らない状態で開始

プロジェクト規約や禁止事項を知らず、既存コードからの推測で書くしかない

→ 毎回来るバイトに
何も説明せず作業させる状態

CLAUDE.md あり

ルールを踏まえた状態で開始

規約・ワークフロー・方針を踏まえた状態で作業を始められる

→ バイトに毎シフト渡す
マニュアルを用意してある状態

AI の成果物の質は、あなたが書く CLAUDE.md の質 で決まる

実際に 見てみましょう

InsightLog プロジェクトの CLAUDE.md を開いてください

  • テックスタック・開発コマンド
  • ディレクトリ構成
  • アーキテクチャ判断(設計ルール)

これが毎セッション自動で AI に読み込まれる

CLAUDE.md に 何を書くか、何を書かないか

Anthropic 公式の用途: コーディング規約 / ワークフロー / アーキテクチャ

書くべき

アーキテクチャ方針

層の責務・状態管理・依存方向

ワークフロー

テスト・ビルド・デプロイの手順

暗黙のルール

命名の意図・禁止事項の背景

書かなくていい

ツールで補える規則

linter / formatter の仕事

コードから読めること

依存関係・既存のファイル構成

一時的な情報

今日のタスク・進捗・TODO

ツールでできることはツールに任せる — AI への指示は AI じゃないとできないことに集中させる

Part 2: その部下をマネジメントできるか? — 記憶と指示の設計

01

講義 — 記憶と指示

02

ハンズオン — CLAUDE.md の有無で比較

03

実習② — 曖昧な要望を具体化する

ハンズオン — CLAUDE.md の有無で比較

InsightLog プロジェクトで、
CLAUDE.md の有無で AI の回答がどう変わるかを体感する

⓪ まずこのスライドで 全体の手順 を紹介 — 実際の作業は次のスライドから

CLAUDE.md を削除

質問を投げて
回答を記録

git restore で復元

まったく同じ質問を
もう一度投げる

2つの回答を並べる

情報源と回答の
差を観察する

📄 手元で開く: /training compare(Claude Code で実行)

Phase 1 — 削除して 質問する

  1. ターミナルで CLAUDE.md を削除
$ rm CLAUDE.md
  1. /clear で CLAUDE.md の変更を反映
  2. 以下の質問を投げる

新しい計測フィールドを追加するにはどのディレクトリに追加すればよいですか?簡潔に答えてください

追加で「その回答のために、どのファイルを読みましたか?」と聞く

Phase 2 — 復元して 同じ質問

  1. CLAUDE.md を git restore で復元
$ git restore CLAUDE.md
  1. /clear で CLAUDE.md の復元を反映
  2. Phase 1 と まったく同じ質問 を投げる
  3. 同じく「その回答のために、どのファイルを読みましたか?」と聞く

回答の 具体度情報源 に注目

Phase 3 — 2つの回答を 並べて比較

注目すべきは 情報源の違い回答に到達するまでの行動の違い

観点 CLAUDE.md なし CLAUDE.md あり
情報源 find コマンドで探索 → 複数ファイルから推測 CLAUDE.md のみで即答
読むファイル数 多い(コードベースを横断的に確認) 1ファイル(CLAUDE.md で完結)
回答の根拠 「既存コードを見たところ〜」(推測) 「CLAUDE.md に記載のとおり〜」(明文化された規約)
消費トークン・時間 多い 少ない

CLAUDE.md = AI にとっての 地図。地図がなければ手探りで歩く、あれば一直線

ハンズオンで 見えたこと

CLAUDE.md があれば AI は 地図を見て即答
なければ 手探りで探索してから推測

プロジェクトが大きくなるほど探索コストは膨らむ。
巨大モノレポチームごとに規約が違う構成 では差が決定的になる

Part 2: その部下をマネジメントできるか? — 記憶と指示の設計

01

講義 — 記憶と指示

02

ハンズオン — CLAUDE.md の有無で比較

03

実習② — 曖昧な要望を具体化する

実習 — 曖昧な要望を具体化する

私からの要望があります — この要望を叶えるために 指示を具体化 してください

タスクの記録をもっと簡単にしてください。

大事なこと

完成が目的ではない。具体化する過程 が学び。ハマってもそこまでを記録する

📄 手元で手順を開く: /training simplify

実習 — 進め方

01 具体化

7分 / 各自

02 実装

20分 / Claude Code

03 記録

5分 / InsightLog

01 で考えること

  • 何が面倒なのか
  • どう改善するのか
  • プロンプトに書き出す

※解釈が異なっても OK

02 でやること

  • 具体化した指示を渡す
  • npm run dev で確認
  • 違えば指示を追加

03 で記録すること

  • 最初の曖昧指示
  • 具体化した指示
  • 差分と気づき

成果物の質 を左右する2つの要素

❌ 悪い

曖昧

プロンプト

「タスクの記録をもっと簡単に入力できるようにして」

→ 何が面倒で、どう簡単にするか AI が迷う。結果は中途半端

⭕ 良い

対象と動作が明確

プロンプト

「タスク記録後、次の記録時に前回の AI ツールとカテゴリを初期値として再表示してほしい。所要時間とメモは毎回クリア」

→ 対象・保持する値・クリアする値が具体的

⭕⭕ さらに良い

実装方針まで指定

プロンプト

「上記に加えて、保持先は既存の Zustand ストア settingsStore.lastTaskInput。useTasks から読み出す」

→ プロジェクトの一貫性も保たれる

成果物の質を左右する 2大要素: 毎回のプロンプトCLAUDE.md に書かれた前提

Part 2 まとめ — 覚えてほしい3つ

01

コンテキストは
有限

"部下の記憶" は毎回リセット。
だから CLAUDE.md に書く

02

CLAUDE.md で
ルールを自動適用

ルールを知った "部下" を
毎セッション自動でロードする

03

指示の具体化は
あなたの仕事

曖昧な要望をそのまま渡さない。
あなたが具体化する

成果物の質を左右する 2大要素:
毎回のプロンプトCLAUDE.md に書かれた前提

Part 2
質疑応答

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